日本で一番、海に近い暮らし。京都・伊根の舟屋へ
ずっと行きたい場所がありました。
京都府の北端、伊根町です。
旅好きの建築家の友人に「国内で行くなら、伊根がいい」とすすめられたのがきっかけでした。
建築を見てきた人が推す場所は、たいてい外れがありません。
それでも遠くて、なかなか機会がつくれずにいました。
今回、FLOW京都キャラバンで宮津まで行くことになりました。
これはもう、行くしかない。
そう思って一泊延ばして、伊根へ足を延ばしました。
アクセスは、宮津からレンタカーです。
海沿いの国道を北へ、のんびり走ります。
トンネルを抜けて視界が開けた瞬間、目の前に静かな湾が広がりました。
舟屋は、海から見るのがいちばん
まずは海の上へ。
伊根湾遊覧船「Re:INE(リイネ)」に乗りました。
前日夜に天橋立で行った飲食店の大将に、伊根に行くことを伝えたところ、
「船に乗るなら、Re:INE(リイネ)がおすすめですよ」
と教えていただきました。
(こうした情報が本当にありがたいですよねw)
若い船長さんが操る、2022年に新造された小さな船です。
七面山の駐車場から乗り込み、湾をぐるりと一周して約20〜25分。
駐車場に着いたら、目の前に船があり、
「まだ乗れますよ!」
とお声がけいただき、すぐに乗船できました。
車を降りて、船に乗るまでに、約1分と理想的な展開となりましたw。
出航してから、船長さんが、餌をくれました。
船から餌を投げると、かもめが集まってきました。
これが、とても楽しい。
手を伸ばすと、すっと寄ってきて、ひょいと持っていく。
童心に返るとは、まさにこのことでしたw。
海の水がとても綺麗だったことにも驚きました。
(各地の海を見ていますが、日本海側でこんなに美しい海は珍しいかも)
そして、海から見上げる舟屋。
これが本当にすごい。
水面すれすれに建物が並び、家の一階がそのまま海へつながっています。
陸から歩いて見るのとは、まったく別の景色でした。
伊根に来たら、絶対に船に乗ってください!
なぜ、あんなに海の近くに建てられるのか
舟屋は、湾沿いに約230軒。
一階が船を引き上げて格納する場所、二階が漁具置き場や居室です。
生活の拠点となる主屋は、道を一本挟んだ向かい側に建っています。
一階が「海のガレージ」で、道の向かいが「住まい」。
暮らしと仕事が、道一本で分かれている構造です。
こんな建て方ができるのには、理由がありました。
伊根湾は南向きに開いていて、日本海の荒波が入り込みません。
湾の入口にある青島が、天然の防波堤になっています。
さらに、潮の干満差が年間平均で50cmほどしかない。
波が立たず、潮位もほとんど動かない。
だから、海面ぎりぎりに家を建てられるのです。
自然条件がそのまま建築の形になっている。
いまの姿になるまでにも、歴史があります。
もとは草葺きの平屋でした。
江戸時代後期に半二階建てになり、明治の台風被害を経て瓦葺きへ。
現在の切妻造・瓦葺きの姿は、災害を乗り越えて更新されてきた結果なんですね。
2005年には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
保存地区の面積は約310ha。
集落全体が、まるごと守られています。
ただ、ここが大事なのですが。
伊根は「保存された観光地」ではありません。
いまも人が住み、漁をして、洗濯物を干している場所です。
舟屋も、その敷地も、すべて個人の私有地です。
カフェや民宿として活かされている舟屋もありますが、基本は生活の場。
無断で立ち入らない。
これだけは、守って訪れたいところです。
保存と活用と暮らしが、同時に成立している。
こんな集落は、そう多くありません。
高台から、伊根湾を見下ろす
海から見たら、次は上からです。
「道の駅 舟屋の里伊根」へ。
湾を見下ろす高台にあって、展望台から舟屋の集落を一望できます。
1993年には、朝ドラの「ええにょぼ」の撮影地にもなりました。
道の駅には、伊根浦漁業株式会社の直営店が入っています。
伊根町で水揚げされた旬の魚の干物が並んでいて、目移りしました。
お土産は、ここでまとめて買うのがおすすめです。
そしてお昼は、2階の「レストラン舟屋」へ。
窓の外に伊根湾を眺めながらの食事です。
いただいたのは「たいめし」。
これが、美味しかった。
鯛の旨みが素晴らしく、最後まで箸が止まりませんでした。
景色と食事がセットになった、贅沢な時間でした。
まとめ
伊根は、素晴らしい場所でした。
海から見上げ、高台から見下ろし、路地を歩く。
同じ集落を三つの視点から味わえる旅先は、なかなかありません。
風景が美しいだけでなく、その形にちゃんと理由がある。
だから、見ていて飽きないのだと思います。
私の「再訪したい国内旅行先ベスト5」に、迷わず入りましたw。
次は舟屋に泊まって、朝と夜の伊根を見てみたい。
もう、そう考えています。
心からおすすめしたい場所です。
京都駅からはバスで約3時間。
天橋立まで足を延ばす予定がある方は、ぜひ伊根まで。
きっと、行ってよかったと思うはずです。
「海の京都」の魅力を堪能できましたw。






