「嫌われる勇気」などのベストセラー著者である古賀史健さんが、フジテレビ第三者委員会報告書を丹念に読み込み、
- フジテレビ経営陣は何を問われたのか
- 「集団浅慮」という組織心理
- 同質性の罠(多様性の真の意義)
- ビジネスと人権- 人権知識が足りない
という重たいテーマを、驚くほど読みやすく、しかも薄めずに書いてくれた。
 



推薦の言葉を寄せる機会を頂いたのだけれども、だからというわけではなく、本当に全員読んでいただきたい。男性も、女性も。

「はじめに」がオンラインで公開 されています。これだけでもマジで読んで欲しい。

出版前の原稿を読んだ時の感想をいったん共有しますね。

==感想==
本書のタイトルを見てびっくりした。少し前にAGCさんの社内向けに「集団浅慮とDEI」をテーマに講演した からだ。

正確に言えば「なぜDEIが経営上重要なのか」という問いに対してサステナビリティ推進部長の井原さんが「集団浅慮を防ぐため」というキーワードをくださり、講演を組み立てた。

いずれにしろ集団浅慮とDEI/女性を組み合わせた議論を他にあまり見たことがなく、古賀さんすごい、そこに注目されたとは!と同志のような気持ちで読んだ。

そしたらさすが古賀さん、的確に補助線を引きながらフジテレビの第三者委員会報告書を読み解き、解説してくれている。めちゃくちゃ読みやすくて分かりやすい。だからといって中身は薄まってない。むしろ濃くなっている面もある。

「現代のビジネス感覚の基準」をアップデートするのに、全員読んでもらったらいいと思うな、日本の職場は。

っていうのは、自分ひとりが「これが正しさの基準」って思っていても、①周りも同じ知識を持って、②「これが基準だと認識してる」ことをお互いに知っている、という状態にならないと実現しないから。

優秀なビジネスパーソンが、ある文脈に入ると中学生のような素朴で幼稚な判断と振る舞いをしてしまう。そして自分の素朴さ、幼稚さに気づかない。頭がいいから、むしろ正当化する理屈はいくつでも出してくる。

「集団浅慮」ってそういうことだ。

フジテレビの件では、集団浅慮と、昭和から温存された性別役割分担意識、加えて昭和のままアップデートされていない人権知識が合体した構造があった。

思えば私が社会人になった頃は、そういう環境だった。そういうのを「笑って受け流す」のが大人の女性の嗜みだという無言のメッセージを職場で受け取っていた。「やめてくださいよぉ」と笑いながら男性の手を掴んで私の体から引き剥がす。これが基本動作だった。

今思えば失礼極まりない話である。カラオケで20代の私の腿に手を置いてきたおっさんは、何を考えていたのかしら。今でもやるのかしら。

「今思えば」。当時から今の間で何が変わったから、こんなことを書けるのか。再読して改めて整理したい。(フジテレビではあんまり変わってないみたいだったから)