憧れの帆船に乗りましたので、御紹介したいと思います。
外観
乗船したのは、Windstar 社の Wind Star 号です。ローマで乗船し、ティレニア海とイオニア海を航行して、アテネで下船する 8 泊のクルーズでした。
帆船と言っても、ヨットと異なり帆は回転しません。帆は補助動力で、主動力はエンジンとプロペラです。しかし船長は乗客の期待を良く分かっていて、出港後の数時間はエンジンを切って、帆と舵だけで航行してくれます。まるで大航海時代の船乗りになった気分です。
次の写真は、帆だけで航行している時の船尾の様子です。スクリューが海を掻き回さないので、航跡がほとんどなく、とても美しい。音が無く静かで、船が動いているのか止まっているのか全く分かりません。小説に『波間を滑るように船が進む』という表現がありますが、なるほど、こういう事なのかと思いました。
比較のためスクリューで航海している時の船尾の写真が、こちら。水平線の向こうまで続きそうな航跡です。
乗客、乗員
乗客定員は 148 名ですが、この航海では 128 名しか乗船していません。スタッフ定員は 101 名です。スタッフの皆さん、乗客の名前や客室、出身国など見事に覚えて下さり、きめ細やかで丁寧なサービスを受けられます。私にはカタコトの日本語でサービスしてくれました。
乗客のうち、日本人は私達と、もう 1 組ロスにお住まいの御夫婦のみ。それ以外ほとんどがリタイアした米国人、しかも白人ばかりです(黒人も米国社会で活躍しているはずですが何故この船にはいないのか)。
船員はインドネシア人やフィリピン人が多いです。揺れる船上、狭い船内で、朝早くから夜遅くまで、9ヶ月乗船して3ヶ月休みという暮らし。英語を使いこなして仕事します。能力とガッツが無いと、できない仕事です。インドネシア人は、技能実習生で日本にいました、という方も多いです。オフィサーは白人が半分くらいですが、黒人もアジア人も活躍しています。
船室
小さな船なので、やや不便です。しかし憧れの帆船で航海できる喜びには変えられません。部屋は、やや狭いとは言っても日本のビジネスホテルと変わらない広さ。むしろ広く感じます。
洗面台は1つしかありません。同じ Windstar 社の Star Pride 号は 2 つ並んでましたが。
お風呂もシャワーブースのみです。(Star Pride 号にはバスタブがありました)
船内設備
中型のクルーズ船にはカジノがあり、大型のクルーズ船には劇場やウォータースライダー付きプールがありますが、Windstar 社の小型クルーズ船には、幾つかのレストランやカフェやバー等、大人がゆっくり過ごす設備しか、ありません。
最上階には、プールと温水プールがあります。
夜にはバンドの歌を聴きながら、お酒を飲んだり踊ったりできます。
小型の船なので喫水は浅く、ほとんどの港に接岸できるのですが、それでも錨泊する事もあります。錨泊中は船尾のウォーター・プラットフォームが開かれて、船から海に入れます。
ブリッジに入って写真を撮ったり、船長さん達と対話したりできます。
船員さんの安全管理の下で、船首にも行けました。船首でする事と言えば、決まっています。お約束ですよね。
クルーズの良さ
私が思うクルーズの良さは、なんと言っても、青い空と広い海。水平線に沈む夕陽は見飽きません。
また、昼間に街を観光し、夜間に移動する効率的な日程も魅力です(移動の為の労力が不要)。船が一晩で移動できる距離は限られるので、ほとんどの日本人が行かないような街を訪れて、その街の魅力に気付く事ができます。
航海中に洗濯をお願いすれば服を使い回せるので、機内持ち込み荷物のみで移動できます。ロスト・バゲッジの心配無用です。
Excursion
Windstar 社の Excirsion は基本的に、乗船券だけ持っていれば、途中のトイレも軽食も全て用意してくれるし、道中に土産物屋さんに立ち寄って物を買わされるような事も無く、至れり尽くせりです。
以前モロッコを旅行した時も、商売熱心な北アフリカの人々に物を売りつけられる事なく、守って貰えました。
例外的にトイレにお金がかかったり、こちらから買い物したい場合もあるので、少額の現金とクレジットカードは持ち歩きますが、出費ゼロでも構いません。
旅程
御参考までに今回の旅程です。
Day -3
ローマ着。チェックイン後にパンテオン、ナヴォナ広場など。
Day -2
ティボリでハドリアヌス帝の別荘と、エステ荘。どちらも規模が大き過ぎて驚く。夜はミシュラン星1つの Idylio By Aprema へ(別途つぶやき投稿済。リンク貼れない)。
Day -1
開館すぐのバチカン美術館へ。システィーナ礼拝堂をゆっくり堪能。サン・ピエトロ大聖堂を見学し、トラステヴェレで食事。トラヤヌス帝のフォーラムを経て、国立ローマ博物館で円盤投げ像。
Day 0
フィレンツェに日帰り。メディチ家の礼拝堂、アカデミア美術館、ウフィツィ美術館。終日、多摩美卒のガイドさんに日本語で解説して頂く。
Day 1
午前中コロッセオやフォロ・ロマーノ観光。午後にチビタベッキア港へ移動し乗船。船内で昼食。米国の船なのでハンバーガーやステーキが美味しい。夕方に出航。
Day 2
Ponza 島に錨泊。山の頂上までハイキングの後、地元のワイナリーで軽食。美味しかったので 1 本購入。日本人は滅多に訪れない島ですが、とても美しい島でした。
Day 3
アマルフィ錨泊。ヘルクラネウム観光。湾内で一泊。特等席から見るアマルフィの夜景が美しかった。
Day 4
ポジターノ観光。
Day 5
午後にシチリア島のメッシーナ入港。タオルミーナのギリシア劇場から観るエトナ山が美しい。平成中村座のような景色。
Day 6
終日航海。客室スタッフから毎晩ちょっとした差し入れが届きますが、このギリシア語の単語帳は便利でした。
米国の会社なのでステーキが美味しい。このステーキは追加料金を払いましたが、わずか 27 USD でした。
Day 7
午後ロードス島のギシオン入港。Mystras 観光。夜出航。
Day 8
モネンバシア入港。砦を観光。
Day 9
朝にアテネ入港。下船。アクロポリス、アゴラ、国立考古学博物館を観光。帰国。
追伸
今回の旅のために長めの有休を取りました。帆船で航海した結果、反省と後悔は、、、



