昨夜は武蔵小杉で『オオカミの護符』の映画を観て、帰宅してNHKスペシャルの椎葉村を観た。土地に紐づいて、細々と連綿に紡がれてきた2つの物語がなんとなくリンクする。



タワマンが林立する武蔵小杉は、多摩川沿いの丘陵地として昔は谷戸と呼ばれる農村地帯だった。そこに住んでいた人々は村の代表者を選び、多摩川上流にある御岳山に豊作や雨乞いを願って参拝し「オオカミの護符」をもらってくる。この護符は今でも京王電鉄や京王バスの車両にひっそりと貼られている。

椎葉村では自然から得られる恵みを「のさり」と呼び、収穫が獲れるのも獲れないのも山の神の思し召しと考える。良いことも悪いこともすべて神様からの授かりものとして受け入れ、厳しいときには隣近所で支え合って慎ましやかに暮らしてきた。

『オオカミの護符』の舞台となるのは川崎市宮前区土橋地区、東急田園都市線の鷺沼駅から上ったところだ。都心に向かう通勤電車では通過してしまうような途中駅に、実はそれぞれの土地の物語がある。それは御嶽神社に登った際に、各地の講から寄進された塔がたくさん立っていることからも分かる。恐らくは荒川沿いは秩父に参詣していたのだろう。

椎葉村の風習である野焼きの際に村の後継となる若者が言っていた。「椎葉村は発展が遅かったからこそ、昔の風習が色濃く残っている。それを細々とでも絶やさなければ、衰退もゆっくりにしていけるんじゃないかな。」