こじらせている人とは、何だか気難しかったり理屈っぽかったり、とにかくとっつきにくい印象を持たれる。かくいう私自身も「こじらせ男子」の自覚があり、しかしながら世間一般的に言われるような関わりづらさを醸し出すのは避けている。むしろ高田純次さんのような表面的テキトーさ(裏には緻密な気遣い)が理想である。
この本では有名なPhaさんをはじめ、著者がタイトルの通り「こじらせ男子」とお茶をしながらその価値観やライフスタイルをインタビューしていく形式で、その意外なほどに快活でしたたかとも呼べる生態を明らかにしていく。著者の属性から出版業界に偏りがある印象だが、ある程度の傾向や対策も見えてくる内容となっている。
「こじらせ男子」に共通するのは、氷河期世代で中高までは割と成績が良く何をやらせてもそつなくこなす流れで、一流大学や一流企業と呼ばれるいわゆる社会のレールの上を歩んできた人たちが多いところだ。そこで挫折するタイミングが成人前後と遅かったがために、30代をモラトリアム的に過ごして一般的な枠組みからは逸脱していったイメージだ。
男子全般に当てはまる、決断を先送りする傾向だったり悩みを内向きに自己解決していくようなプロセスを通して、割と自分で何でもできてしまうようになってしまったため、孤独を好み他者には必要以上に踏み込まないのも特徴である。ある特定の分野には詳しく、聞けば親切に教えてくれるというのも共通している。
安定のレールから降りて独自の生存戦略を構築して毎日をご機嫌に過ごす。この本を読めば、「こじらせ男子」の意外な魅力に気づくかもしれない。

2025/11/30 11:23
