現在進行系で父の介護問題に直面しているので、著者の考えがストレートに入ってきた。近すぎる関係が故に感情や責任感で動いてしまいがちになるが、長く孤独な戦いを続けるためにはビジネスライクかつ合理的な仕組みに落とし込むのが重要なのは納得している。

深刻かつ悲観的になりがちな話題を、軽妙なタッチでエンターテイメント的にコラムに仕上げていくのはさすがの著者である。自分でできることと任せることを線引きし、金で解決できるところは専門事業者に任せ、親が快適に暮らし続けられるところをゴールに設定するというのは多くの老親を抱える人たちにとって参考になるだろう。

一方で大多数の、専門事業者にお任せするほどの財力がなく、主に女性が担いがちな介護の現状を解決するためには公的支援の拡充が欠かせない。女性の看護師さんやケアマネさんに上から目線だ等の親の昭和スタンダードな価値観によって上手くいかなくなる部分もあるが、相手もプロなので解決を目指さない方向性もあるのだと認識を新たにした。